初めてのセッションでは椅子にゆったりと座りながら催眠療法についての詳しい説明を受けました。催眠に対しての疑問や不安は全くなくなり、リラックス出
来るようになりました。その後、セラピストさんのガイドで徐々に深い催眠状態に入っていきました。そこで最初に私が見たのはアフリカの草原で暮らす15 歳の少年である私でした。そこでは周りの人から嫌われることを極端におそれるあまり、私は常に誰に対しても媚びていたのです。そんな私を周りは馬鹿にし
て見ていることに気づいてはいませんでした。そして独り草原に取り残された私は孤独と恐怖を感じながら餓死したのです。すると突然、体が軽くなり宙に浮 いている感じになりました。下を見ると木の側で横たわり死んでいる私がいます。そして周りを明るい光に包まれながら「自分というものをしっかりと持つこ
とが大切である」ということに気づきました。
次に見たのは中世のヨーロッパで領地を治めている領主の自分でした。領地は平和で私は領民に対しても誠実な 態度で接していました。領民も部下も満足してくれていると私は思っていました。しかし突然、自分が一番信頼していた部下が私を裏切りクーデターを起こし
たのです。私は囚われの身になり、崖から突き落とされて処刑されることになりました。手足を鎖に繋がれ歩く感覚は今もはっきり残っています。そして崖か ら突き落とされる瞬間に部下の顔を見て私は驚きました。それは今の人生で私を裏切った人物だったからです。崖から落ちていく途中でまた私は宙に浮きまし
た。下を見ると鎖に繋がれた自分の体は海に落ちていっています。そしてまた光に包まれながら「他人をコントロールすることなど出来ない」ということを学 んだのです。 |